Amazon Connect で、「キュー内の最大問い合わせ数」を設定した際の考慮事項や動作を確認してみた – Amazon Connect アドベントカレンダー 2023

Amazon Connect で、「キュー内の最大問い合わせ数」を設定した際の考慮事項や動作を確認してみた – Amazon Connect アドベントカレンダー 2023

Clock Icon2023.12.07

Amazon Connect アドベントカレンダー 2023、7日目の記事です!

クラスメソッドとギークフィードさん、スカイアーチHRソリューションズ さんの有志が募ってチャレンジしている企画になります。

(アドベントカレンダーのカレンダー一覧はこちら↓)

はじめに

Amazon Connect で、キュー内の最大問い合わせ数を設定時の考慮事項や上限数を超えた場合の動作を確認しました。

全てのチャネルを含めたキューの最大コンタクト数の上限数をConnectの日本語表記では、「キュー内の最大問い合わせ数」と呼ぶようです。

キューとは、顧客からの問い合わせがエージェントにルーティングされる前に待機する場所のことです。

「キュー内の最大問い合わせ数」を設定した場合、チャネルに関係なく、キューはその数に達すると新しいコンタクトの受け入れを停止します。

キュー内の最大問い合わせ数を設定することで、複数のチャネルを組み合わせて利用している場合でも、確実にキュー内のコンタクト数を制御できます。

今回は、「キュー内の最大問い合わせ数」 を設定する上での考慮事項や上限数を超えた場合の動作を確認してみます。

各チャネルの同時利用上限

「キュー内の最大問い合わせ数」を考える上で、各チャネルの同時利用上限であるサービスクォータを考慮する必要があります。

各チャネルの同時に利用できる数は、サービスクォータで下記の数に決められています

  • 通話(インスタンスあたりのアクティブな同時通話数)
    • 10件
  • チャット(インスタンスあたりの同時アクティブチャット数)
    • 100件
  • タスク(インスタンスあたりの同時アクティブタスク数)
    • 2500件

ちなみに、キューで待機中も1件としてカウントされるため、例えば、通話チャネルで待機中も含めて同時通話数は、10件までです。

10件を超えると、発信で通話しようとしても切断されます。

もちろん、「キュー内の最大問い合わせ数」を20件に設定した場合でも、通話が10件を超えると切断されますので、サービスクォータの制限を考慮した上で、「キュー内の最大問い合わせ数」を設定するようにしましょう。

必要に応じて、上限緩和申請も忘れずに行いましょう。

検証してみた

「キュー内の最大問い合わせ数」が0件、1件、2件の場合、レスポンスも含めて試してみます。

キュー内の最大問い合わせ数が0件の場合

「キュー内の最大問い合わせ数」を0件に設定した上で、チャットが切断されるかどうかを試してみます。

キューの「キュー内の最大問い合わせ数」を0で設定します。

チャットは、下記の画面が表示され、切断されました。

「キュー内の最大問い合わせ数」を0に設定すると、キューは使用できなくなりました。

動作としては、キューがいっぱいの場合と同じ状態になるようです。

キュー内の最大問い合わせ数が1件の場合

「キュー内の最大問い合わせ数」を1件に設定し、タスク1件がキューに入っている状態で電話をかけてみると、電話が切断されるかどうかを確認します。

キューの「キュー内の最大問い合わせ数」を1で設定します。

タスク1件がキューに入っている状態で、電話をかけてみます。

タスク1件を待たせています。

電話をかけると、切断されました。

キュー内の最大問い合わせ数が2件の場合

「キュー内の最大問い合わせ数」を2件に設定し、タスク1件とチャット1件がキューに入っている状態で電話をかけてみると、電話が切断されるかどうかを確認します。

タスク1件を待たせています。

チャットは切断されていません。

タスク1件とチャット1件がキューに入っている状態で、電話をかけると、電話は切断されました。

例外

「キュー内の最大問い合わせ数」の設定に対して、設定値を超えてキューに追加される例外があります。

例外1

キューが上限に達してから、上限の制限が適用されるまでにわずかな遅延が発生する場合があります。

そのため、制限が適用されるまでに、コンタクトがキューに入る可能性があります。

私の方でも「キュー内の最大問い合わせ数」を1件に設定し、同時に2件チャットしてみると、2件ともキューに入ることを確認しました。

例外2

次のキューの転送の場合、「キュー内の最大問い合わせ数」に対して 20パーセントのバッファが含まれます。

ケース1

Aのキューに入ったコンタクトが、コンタクトフローを通じてBのキューに転送されたとします。

Bのキューに「キュー内の最大問い合わせ数」が設定されており、上限まで達していた場合でも、「キュー内の最大問い合わせ数」の20%までのバッファまで転送が可能です

そのため、Aのキューは、上限まで達しているBのキューに転送されます。

ケース2

エージェントは、クイック接続を通じてキューへコンタクトの転送をしたとします。

キューが「キュー内の最大問い合わせ数」の上限まで達していた場合でも、「キュー内の最大問い合わせ数」の20%までのバッファまで転送が可能です。

そのため、上限まで達しているキューに転送されます。

最後に

「キュー内の最大問い合わせ数」の設定時に考慮する事項や動作検証を行いました。

設定では例外がいくつか存在し、サービスクォータの制限もあるため、これらを考慮しながらキューの設計を行うことが重要です。

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